ASIAN JAPANESE―アジアン・ジャパニーズ 小林紀晴

Posted 10月 30th, 2009 by kzmr and filed in 小林紀晴

アジアを彷徨う長期旅行者いわゆるバックパッカーたちに迫った写真と文章の記録。
そしてそれは著者・小林紀晴自らがアジアを彷徨った記録でもある。

アジアの街で出会う日本人バックパッカーと交わす会話が中心。
会話の端々からうかがうことのできる各々の事情、思い。そして旅の目的。
23歳で3年以上働いた会社を辞めて旅をした当時の著者だからこそ、
彼らのありのままのその瞬間を浮き彫りにできたのだろう。
写真に収められた姿がよりいっそうリアルな彼らを想起させる。

本書後半では、著者が日本で彼らと再会して「その後」と「今」の話を聞く。
旅という「非日常」にあった彼らと現実のなかにいる彼らとの対比は興味深い。

個人的には、本書中盤の「深夜特急の乗客たち 31人の肖像」という
ポートレート写真と簡潔なキャプチャが連続する章が好きだ。
写真を眺めていくと、全体的にどことなくセンチメンタルで、決して心が踊るような雰囲気ではない。
でもそれがかえって同じ年代の頃の自分が重なって、しばし追憶に浸ってしまう。
31人のなかに著者のポートレートもなにげなく並んでいるのも面白い。

本書を読み終え、長旅に出たくなる人は相当の旅中毒であると思う。
僕もその一人だが。

ASIAN JAPANESE―アジアン・ジャパニーズ〈1〉 (新潮文庫)
小林 紀晴
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.0

4 悩んで出した答えは正解だ。
3 「その後の彼ら」は必要だったのか?
4 著者は酔狂
4 さまよえる日本人
3 暗い

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