貧困旅行記 つげ義春

Posted 11月 8th, 2009 by kzmr and filed in つげ義春

「ねじ式」や「無能の人」など独特の作風で知られる漫画家つげ義春の紀行文。
1960年代後半から70年代後半にかけての旅が題材となって書かれたものだが、
つげは国内のうらさびしい鄙びた土地を好んだため、強烈なまでの哀愁が漂う。
随所に掲載されているつげ自身が撮影した写真もまた趣がある。

本書は好き嫌いがはっきり分かれる類の紀行文であると思う。
つげ義春の作品はこの紀行文に限らず本職の漫画でさえ読者を選ぶところがある。
全くつげ作品に触れたことのない人にとっては、単に貧乏臭い旅行記かもしれない。
しかし一度つげワールドにはまった人には、本書はよだれものだ。
つげ的エッセンスがこれほど濃縮されている作品は他にないだろう。

僕自身つげ義春のファンなので、本書に与えられた影響は大きかった。
鄙びた宿にひかれるようになり、実際に宿泊して、なんともわびしいというか、
退廃的な気分になってくると、「あぁ、つげ的だなぁ」なんてつぶやきながら、
妙な満足感がわき上がってくるのである。

貧困旅行記 (新潮文庫)
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つげ 義春
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.0

3 タイトルほど「貧困」ではない
2 趣味じゃないですね
4 つげの世界は昭和40年代の日本にあった
4 うらぶれた宿になにをかんじるのだ?
4 さほど困窮してないなぁ・・・

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