ガラスの宮殿 アミタヴ・ゴーシュ

Posted 11月 18th, 2009 by kzmr and filed in アミタヴ・ゴーシュ

インド、ビルマ、マレーシアを主な舞台として、激動の19世紀後半から
現代へと続く20世紀前半を生きた人々を壮大なスケールで描いた物語。
著者は在米インド系作家のアミタブ・ゴーシュで本書は世界的ベストセラーとなった。

18世紀後半のビルマ・マンダレーで物語は始まる。
ここでインド人の孤児と王宮に使える侍女が出会い、
彼らを中心に激動の時代と彼らの人生が描かれている。
登場人物たちは、宗教、人種、帝国主義など、様々な問題に直面。
彼らは懸命に乗り越え、ときに悲しい犠牲を払いながら、物語は現代へ続いている。

ガイドブックやネットで予備知識を得て、その都市や地域に実際に訪れ、歴史や文化に直接触れる。
これが通常の旅の一連の流れだが、それだけで何か分かったような気がしてしまうことが多々ある。
この物語を読んで、数年前のビルマへの旅を思い出しながら、その浅はかさを強烈に痛感した。
何も知らずにただインド人の世界進出力はすごいなと思いながら歩いたあのヤンゴンのインド人街。
もし今歩いたら彼らのバックグラウンドを想像してしまって涙が出るかもしれない。

そうだ。いい例えが思い浮かんだ。幕末だ。
僕らがその時代の熱さを知るのは、日本史の教科書や年表からではない。
坂本龍馬をはじめとする、その時代に生きた人々の熱い生き様を、
テレビか小説か、あるいはその他の何かで、物語としてインプットしたからだ。

ときに物語は、ガイドブックや紀行文よりも旅を豊かなものにしてくれる。
そう強く感じた一冊だった。

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アミタヴ ゴーシュ
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.0

3 いつか映画化される日を願って。。
5 影の主役はビルマ

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