さらば、ガク 野田知佑

Posted 1月 4th, 2010 by kzmr and filed in 野田知佑

漂泊のカヌーイスト野田知佑とともに日本や世界各地の川を下った世界初のカヌー犬ガクの写真集。実父(野田知佑)と養父(椎名誠)の追悼対談も収録されている。
2002年9月刊行。

釧路川、四万十川、ユーコン川、ノアタック川他。ガクはその14年の生涯で、野田知佑&その友人たちとともにたくさんの川を下り、またその大自然のなかでともに過ごした。「ガクが隊の一員であると主張してでかい顔してる」という焚き火のまわりの写真をはじめ、野田知佑と「対等なつき合い」をしていたカヌー犬ガクの姿はとても気高い。

この写真集はガクをもの珍しいカヌー犬として、アイドル的にもてはやしたものではない。その証拠に野田知佑はガクの死後、その毛皮でチャンチャンコをこしらえる。野田にとって、犬を飼うとはそこまですることなのだという。

「ぼくはガクに何もしつけをしなかった。彼を六年間預かってくれた椎名も同じだ」
「犬とふたりきりで荒野にいると、生き物として対等になる」
「好きなときに漕ぎ、好きなときに眠る」
「川旅中のガクとぼくの食事はだいたい同じだ」

これらの言葉やガクの写真を見て僕らが学ぶことができるのは、決して人間上位にならない犬との本当の付き合い方だ。そして僕らのもっとも近くにいる動物である犬との付き合い方を知ることは、もっと大きな意味を持つような気がしてならない。犬と僕らの関係がガクと野田知佑の関係に近づいていくとき、人間は動物や自然ともう少しうまくやっていけるんではないだろうか。少なくとも馬鹿げた行為はなくなるはずだ。

なにはともあれ、ガクが手付かずの自然のなかで生き生きと輝く姿を見てほしい。もしあなたの側にもパートナーがいるのなら、きっと一緒に出かけたくなるだろう。

さらば、ガク (文春文庫)
野田 知佑
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5 素敵な旅を有難う。
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