街道をゆく〈1〉甲州街道、長州路ほか 司馬遼太郎

Posted 1月 8th, 2010 by kzmr and filed in 司馬遼太郎

「街道をゆく」は、司馬遼太郎が各地の街道を歩きながら、独自の論を交えつつその地理・歴史・文化を綴る紀行文である。
第一巻となる本書の目次と歩いた道は次の通り。

1章 湖西のみち

・楽浪(さざなみ)の志賀
・湖西の安曇人
・朽木渓谷
・朽木の興聖寺

大津市~穴太(あのう)~安曇川町(あどがわ)~朽木谷(興聖寺)

2章 竹内街道

・大和石上(いそのかみ)へ
・布留(ふる)の里
・海柘榴市(つばいち)
・三輪山
・葛城山
・竹内越

天理市〜布留(石上神宮)〜三輪山(大神神社)〜竹内峠

3章 甲州街道

・武蔵のくに
・甲州街道
・慶喜のこと
・小仏峠
・武州の辺彊

八王子市〜小仏峠

4章 葛城みち

・葛城みち
・葛城の高丘
・一言主(ひとことぬし)神社
・高鴨の地

笛吹(火雷神社)〜森脇(一言主神社)〜高鴨神社

5章 長州路

・長州路
・壇之浦付近
・海の道
・三田尻その他
・湯田
・奇兵隊ランチ
・瑠璃光寺など
・津和野から益田へ
・吉田稔麿の家

下関市(赤間宮)〜山口市(湯田温泉・瑠璃光寺)〜津和野町〜益田市

wikipedia
甲州街道、長州路ほか(非常によくまとめられている)

ひとこと
ワイド版には言及されている地名や寺社名が記載された地図があり、著者の辿る道すじが分かりやすいのでおすすめ。旅行のルートを決めるのにも役立つ。
本書で特に印象深かったのはまず、竹内街道の三輪山の章あたり。三輪神社が日本最古の神社で、伊勢神宮の方がはるかに新しいというのは驚きだ。大和の国の成立以前からの先住民族なども登場し、たいへん興味深い。
五章の長州路も面白い。「長州人論は、おもしろい」と著者自身が言っているように、多くの長州出身の人物に言及する。特に幕末から明治初期にかけての時代に興味のある人は必読だろう。

ワイド版 街道をゆく〈1〉甲州街道、長州路ほか
司馬 遼太郎
朝日新聞社
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おすすめ度の平均: 3.5

4 これが、街道をゆくか。
3 歴史と地域

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旅人の心得 田口ランディ

旅の経験が豊富で、旅行記の著書が多数ある作家・田口ランディの旅エッセイ。
2003年に単行本が出版され2007年文庫化。

旅人の心得というタイトルは、著者が宮古島で踏み入ってはならないとされている神聖な場所にそれと知らず入ってしまった経験から、土地と人に対して謙虚でなければならないと胸に刻んだことによる。
実はこの章以外は短くラフな旅行記やエッセイからなっていて、笑いあり、じんわりあり、なかにはシリアスなものも含まれるが、決して説教くさいものではない。
本書で言及されているのは、沖縄の島々をはじめ、アルタイ、郡上八幡、ナバホ、メキシコのバハ・カリフォルニア、ニューヨーク、タスマニア、カンボジア・シェムリアプ、広島。
それらの土地と出会った人々から著者が得た自然や文化に対する感動を追体験できるカジュアルなエッセイである。

エッセイというのは「そうそう。まさにそう思っていたんだ」という読者の共感を得られるかどうかというのが一つの評価基準だが、田口ランディのエッセイはそれが抜群に素晴らしいと思う。
経済と自然のバランスとか、戦争や宗教・祭事といったデリケートで扱うのが難しいテーマを、とてもカジュアルな(と読者に思わせる)感性で、僕ら一般人に近しい表現で語ってくれる。
それにより、僕らはあたかも自分がその場にいたかのように著者の経験や感動を追体験できるのだ。

旅をしたいがなかなか時間を取れないというときにぜひ本書を手に取っていただきたい。
旅の経験や感動を味わうことで、その欲求を解消できるだろう・・・
というのは大嘘で、ますます旅に出たくてしかたなくなるに違いない。
そのときは思うがままに行動すればいいのだ。

旅人の心得 (角川文庫)
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田口 ランディ
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とんまつりJAPAN—日本全国とんまな祭りガイド みうらじゅん

Posted 12月 2nd, 2009 by kzmr and filed in みうらじゅん

荒俣宏曰く「おもしろがりの達人」みうらじゅんが日本各地のとんまな祭り=とんまつりを巡った。
マルチな才能を生かして文章、写真、漫画を織り交ぜながらの爆笑紀行文&レポート。

日本にこんなおかしな祭りが脈々と受け継がれてきていることに驚嘆するとともに、
みうらじゅんのノリのいい描写やツッコミが心地よくて、笑える雑学本といった趣き。
また吹き出しのついた写真や祭りの登場人物を描写した漫画も面白い。

ちなみに祭りごとにデータページがあり、
・地図
・開催場所
・アクセス
・開催時期
が記されているので、気に入った祭りに訪れることも可能だ。

しかしまぁ日本にはとんまな祭りがあるものだ。
伝統として受け継がれてきているというところがすごい。
海外旅行に行ってその土地のお祭りを見てツッコミを入れるのは楽しいものだが、
逆にもし外国人が日本のこれらのとんまつりを見たらどれほど驚嘆するだろうか。
僕らは住んでいるのでなかなか気付かないけど、
日本は世界から見ると相当エキゾチックな辺境だろう。

改めて灯台下暗し。
日本をもっと旅したくなる、文句なしの旅本だ。

とんまつりJAPAN―日本全国とんまな祭りガイド (集英社文庫)
みうら じゅん
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3 いやげ物,ゆるキャラよりも成熟
4 とんま過ぎる…。
4 寝る前読むとリラックスできる。
4 祭りと性の密接な関係
3 祭りはつくるものである

おまけ、紹介されているとんまつりのリスト

蛙飛行事(奈良)
笑い祭り(和歌山)
尻振り祭り(福岡)
おんだ祭り(奈良)
姫の宮 豊年祭り(愛知)
田縣祭り(愛知)
水止舞い(東京)
撞舞(茨城)
恐山大祭(青森)
抜き穂祭(愛媛)
子供強飯式(栃木)
牛祭り(京都)
悪口祭り(栃木)
ヘトマト(長崎)
ジャランポン祭り(埼玉)
うじ虫祭り(愛知)
鍋冠祭り(滋賀)
つぶろさし(新潟)

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神に頼って走れ! 高野 秀行

Posted 11月 23rd, 2009 by kzmr and filed in 高野秀行

辺境作家・高野秀行の東京から沖縄までの約2ヶ月に渡る自転車旅行記。
わけあっての神仏に祈りながらの旅。それらに対する見解はもちろん、
辺境の第一人者である著者が道々で出会う光景や人々の描写が面白い。

そもそもどうして神仏に祈りながら自転車旅行してるのか?
『怪魚ウモッカ格闘記』を読むと分かるのだが、
徐々に明かされ、予備知識がなくても問題ない。
これまで高野の著作に触れたことがない人でも、
独特の言い回しやユーモアに引き込まれるだろうし、
自転車旅行記としても秀逸だと思う。

長期間に渡る自転車旅行記と言えば、汗臭いというか男臭いというか、
艱難辛苦の末に感動的なゴール!といったスポ根的な要素が少なからず
含まれているような気がするが、本書にはそういう脚色はない。
ただ面白く、終始くすくす笑いながら読み進めることになるだろう。

高野秀行の著書はいつだってそうだ。
誰にも真似できない非常識なことをしでかしているのに、
高野はすごく庶民的で俗っぽくて、すごく身近に感じる。
これこそ高野秀行が支持される理由だろう。

今回の自転車旅行に関しては、決して誰もが真似できないことではないが、
その分見解や描写の面白さ、そしてユーモアが際立っているように思う。

神に頼って走れ!―自転車爆走日本南下旅日記 (集英社文庫)
高野 秀行
集英社
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おすすめ度の平均: 4.0

5 素晴らしすぎます
5 意外な発見
3 神様とともに
5 がんばれ高野
3 「怪魚ウモッカ格闘記」の後日談みたいな感じで

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